世界中で人気のあるヘナタトゥー。日本にもヘナタトゥーアーティストとして活動なさっている方や、専門店などもありますね。
専門店でプロに描いてもらうも良し、また絵を描くのがお好きな方であれば、セルフで楽しむのも良いでしょう。
試しにワンポイントだけ描いてみるのも良いかもしれません。
タトゥーと聞くと、〝痛いもの、消えないもの″というイメージがあるかと思いますが、ヘナタトゥーは全く痛みもなく、何より安全に楽しむことができるものです。
描いた模様は2日後が一番色が濃く、その後は1~2週間かけて徐々に色が薄くなり完全に消えるため、期間限定のおしゃれを楽しむことができます。
ヘナとは薬草ですので、安全に肌や髪に色を付着させることができます。
ですが、間違った認識を持つとトラブルの原因になりかねません。
ヘナを使用する際には、必ず確認をしてほしいことがあります。安全第一に、生活の中にヘナ取り入れて楽しんでくださいね。
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ヘナタトゥーのヘナとは?
ヘナとはインドなどの熱帯地域に自生するミソハギ科の植物です。
ヘナの葉にはオレンジ色の色素が含まれます。その葉を乾燥させて粉末状にしたものが、「ヘナ」として販売されており、日本でも手軽に購入できます。
使用する際は、そのヘナのパウダーをお湯で溶き、滑らかなペーストを作ります。
ヘナはタンパク質に絡みつく性質を持つため、そのペーストを塗ると、肌や爪、髪の毛が染まるというわけです。
ヘナが自生する熱帯地方特有の高温による熱被害や、紫外線による肌荒れ、感染症などの外敵要素から身を守る手段として古くから活用されてきた薬草。
5000年以上の歴史をもつアーユルヴェーダでは、ヘナは皮膚病の予防、皮膚炎、火傷、防腐剤、止血、おできなどのための薬剤として使われてきました。
ヘナで肌に模様を描くメヘンディ
ヘナタトゥーは、インドのヒンディー語でメヘンディと言われるものです。
メヘンディとは、「模様を描き肌を染める」ことを意味します。
ヘナペーストを小さなコーンにいれ、絞り出しながら模様を描き時間を置くと、その模様部分の肌がオレンジ色に染まります。
その後は徐々に酸化による色の変化が起き、染めたての薄く明るいオレンジから深みのあるオレンジ~赤茶色のような色へ変化していきます。約2日後が完成形で、色が一番ハッキリと出ている時です。
その後は少しずつ色が落ち、1週間~10日程度で消えます。
原料が植物の為、植物アレルギー等でない限りは肌に安全で、最終的には完全に消えるものですので、子供から大人まで気軽に楽しむことができます。
そのレースのような美しいエキゾチックな模様は、インドだけでなく様々な国で楽しまれています。ですが日本ではそれほど馴染みがなく、あまり見かけることはないかもしれません。
ヘナ、そしてメヘンディは古くから愛されていました。ヒンドゥー教の女神ラクシュミーは、手のひらにタトゥーをしており、大変ヘナが好きだったと言われています。
メヘンディは〝幸運を呼ぶ″と言い伝えられており、今日でも幸せになりたいと願いを込め、インドでは花嫁に結婚式前日、手足にびっしりとメヘンディが施されます。
幸せへの願いの意味だけでなく、ヘナには浄化作用もあります。おしゃれとして、また身を守るものとして、今日でも親しまれているものです。
模様は自由に描くことができ、決まりのようなものはありません。
ご自身の好きなように、それぞれの願いを込めてアートを楽しむと良いでしょう。
肌にアートを!ヘナタトゥーのやり方
①ヘナペーストを作る
ヘナパウダーをお湯で溶き、滑らかなヘナペーストをつくります。ヘナのみで作る場合もあれば、より濃く染まるように紅茶やレモン汁を混ぜて作る場合もあります。
ですがレモン汁は肌への刺激を感じる場合があります。特に敏感肌の方は注意をし、合わない場合はいれないようにしましょう。
ヘナは必ず100%ヘナ(オレンジ)を使用すること。化学物質が混ざっていない安全なものを選びます。
品質の良いヘナは染まりも良く、粒子が細かいため、滑らかなペーストを作ることができます。
ペーストは滑らかで、もたっとしたものを。描きやすさにも個人差はあり、ペーストの固さによって染まり方も変わってきます。
ペーストは固いものよりも柔らかい方が染まりやすいですが、水っぽいと細かな模様を描くことができません。ヘナやお湯を少しずつ足しながら調整をします。
②ヘナペーストをいれるコーンを作る
コーンを手で握って絵を描く為、小さめでハリがあるフィルム状の袋が必要です。先端が細いスポイトのようなものでも描くことができます。ご自身が描きやすいのが一番ですので、色々な方法で試してみてください。
どの場合も大きすぎず、手のひらに納まる程度のもので。
コーンの半分くらいまでペーストをいれ、セロテープでしっかりと封をします。
③ヘナでヘナタトゥーにトライ!
清潔にした肌にヘナで好きな模様を描いていきます。
すぐに染まる訳ではないので、間違えたり訂正したい場合は、ティッシュでふき取りながらできます。
ヘナは、身体のどの部分に乗せるかによって、染まり方が違います。
また、肌質や体温、季節によっても染まり方は異なり、気温や体温は高いほうがより染まりやすくなります。手のひらや足の裏は大変染まりやすく、濃く色が出る箇所です。
手首や足首にワンポイントで試してみるのも手軽で良いですね。
④ヘナで模様を描き終わったあとは…
数時間放置します。通常は2時間以上は放置し、できる限り長く時間を置きます。
その間、水に濡らさないように注意をしましょう。
模様を描く段階のペーストが柔らかい時に比べ、模様が乾きヘナが乾燥すると、色は黒っぽく変化し、パリパリとした感じに乾燥してきます。
ヘナが潤っている方が染まりが良くなるため、また、ペーストが剥がれてしまわないように定着させるため、レモン汁に砂糖を混ぜたものを、コットンなどで模様の上からパッティングします。
注意点としては、レモン汁は人によっては刺激を感じる場合もありますので、刺激が気になる場合や敏感肌の方はレモン汁は避け、砂糖水のみでパッティングをしましょう。
数時間が経ったら、ヘナを指で剥がし取ります。ポロポロと簡単に取れますので、強く擦りすぎて肌を傷めないようにしましょう。
ヘナを剥がすと、オレンジ色の模様が残ります。この段階では明るい柔らかなオレンジですが、徐々に色に深みが出てきます。約2日後が一番色が濃い段階で、あとは徐々に薄くなり、最終的には全て消えます。
ヘナタトゥーをしている期間は、出来る限り強く洗ったりしないことが、長持ちをさせるポイントです。
また発色や色持ちは、ヘナの質、ペースト、肌質、体温、気温、身体のどの箇所にヘナタトゥーをするかなど、多くが関係してきます。
ヘナタトゥー、ヘナの白髪染め、こんなヘナには注意を!
ネーミングに「ヘナ」と付いていれば、必ずしも安全というわけではありません。
本来のヘナ自体は、一切の害はなく肌や髪に良い薬草です。
ですが、ヘナそのものの品質はもちろんのこと、特に注意が必要なのが、パラフェニレンジアミン(PPD)という化学染料が添加されていないかを確認することです。
PPDとは、白髪染めやカラー剤に含まれる化学染料です。人によってはアレルギー症状を引き起こします。発がん性物質を含むとも言われ、決して身体や肌に良いものではありません。
「ヘナを扱っている美容室で白髪染めをしたところ、髪が真っ黒になりました」
「ヘナと書いてあったので安心していたけれど、数日後ひどくかぶれました」
これは、どこかでヘナ体験をしトラブルが起きてしまった方々から、私が実際によく受けるご相談です。
このような体験をなさった方がとても多いことに驚かされます。
ヘナはオレンジ~赤色の色素を持ちますので、白髪や肌に塗布するとそのような色にしか染まりません。
タトゥーをした肌や白髪染めをした髪が、ヘナのみの使用で真っ黒に染まることはありません。
アレルギーをお持ちの方がそのようなものを使用すると、肌荒れや目が開かなくなるほどの顔の腫れ、呼吸困難、火傷のような痛みや腫れを引き起こす可能性があります。
また、これまでアレルギーでなかった方がアレルギーを引き起こす可能性もあります。
海外でヘナタトゥーをする場合にも注意は必要で、「ブラックヘナ」と言われる肌を黒く染めるものには、たいてい化学染料が含まれています。
ヘナタトゥーをする場合も、白髪染めとして髪に塗る場合にも、必ず品質と成分の確認を忘れずに。
自分の身を守るのは自分です。
古くから親しまれてきた、ヘナ本来の持つ美しさや様々な効果を、是非正しい方法で楽しんでください。
まとめ
メヘンディと言われるヘナタトゥーは、ヘナペーストで肌に模様を描き染めるものです。
ヘナとは薬草で、肌を一切痛めません。
ポイントは、必ず化学物質を含まないものを選び、良質なヘナを使用すること。
それさえ守れば、植物アレルギーでない限り安全です。
タトゥーの模様は日に日に薄くなり、1週間から10日程で完全に消えます。
幸せを呼ぶと言い伝えられてきたヘナタトゥー。ご自身の願いを込め、好きな模様を描いて楽しみましょう。